ゼロゼロ融資とゾンビ企業の増加
最近のニュースによると、コロナ禍で打撃を受けた中小企業に対する実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」が、企業の倒産を抑えて経済の下支えに貢献しています。しかし、その一方で本来なら事業継続が困難なのに存続する「ゾンビ企業」が増加し、今後の経済への影響が懸念されています。
企業倒産の減少
ゼロゼロ融資は、政府支援を受けた都道府県などが借入金の利子を3年間負担する制度で、2020年3月に開始されました。東京商工リサーチによると、この制度のおかげで企業倒産件数は大幅に減少し、コロナ禍でも歴史的に少ない水準にとどまっています。
ゾンビ企業の増加と物価高
しかし、ゼロゼロ融資の裏で、利子を利益で払えない企業が急増しています。帝国データバンクの推計によると、コロナ禍前から国内で18万8000社のゾンビ企業が存在し、その数は3割増加しています。原材料価格の高騰も重なり、融資を受けたものの事業構造改革に踏み出せない企業が多く見られます。
経済への懸念
今夏以降、融資の返済がピークを迎えることが予想されており、物価高が追い打ちをかける中、返済できずに事業継続を断念する動きが増える恐れがあります。これにより、経済への悪影響が懸念されています。
再生すべき事業への支援
企業再生を手掛ける「みらいエフピー」の小林広樹社長は、「成長性がある事業は再生すべきだが、単純な借り換えや延命に終始してはならない」と指摘しています。つまり、経済の健全な成長のためには、再生可能な事業に焦点を当てた支援が必要です。
借り換え負担軽減制度
政府は、返済のピークを迎える企業を支援するために、今年1月から借り換え負担を軽減する制度を開始しました。しかし、債務の膨張により借り換えに行き詰まる企業が増え始めているため、さらなる対策が求められています。
企業再生と経済の安定
ゼロゼロ融資によって一時的に企業倒産が抑えられたものの、ゾンビ企業の増加や返済問題が新たな懸念材料となっています。今後は、再生可能な事業への支援を強化し、経済の安定を図ることが重要となります。
まとめ
ゼロゼロ融資は、コロナ禍で打撃を受けた中小企業の支援に一定の効果を発揮しましたが、ゾンビ企業の増加や返済問題が新たな課題として浮上しています。今後の経済成長に向けて、再生可能な事業への支援を強化し、企業再生と経済の安定を目指すことが重要です。