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コロナ対応で「デジタル敗戦」、使われなかった「幻のシステム」FFHSとは?

2023年05月04日

新型コロナウイルス対応で「デジタル敗戦」と言われる理由

新型コロナウイルスの対応で「デジタル敗戦」と言われる背景には、使われなかった「幻のシステム」が存在しています。それは「症例情報迅速集積システム(FFHS)」と呼ばれるもので、2009年の新型インフルエンザの教訓から、感染者情報を迅速に把握する目的で厚生労働省の研究班が13年から7年かけて開発しました。

コロナ向けに改修指示があったが、導入されなかった

2020年2月、コロナ禍が始まった際に厚労省から研究班に対してコロナ向けにシステムを改修するようメールで指示がありましたが、導入されたのは同時期に急遽開発が始まった「HER-SYS(ハーシス)」でした。

なぜFFHSではなく、ハーシスが導入されたのか

FFHSではなく、なぜハーシスが導入されたのかについて、厚労省の担当者は「省内が混乱していたので詳しい経緯はわからない」と語っています。ハーシスの開発を主導した橋本岳副大臣(当時)にはFFHSの情報が上がっておらず、橋本氏は「必要な機能が備わっていると説明を受けていれば、採用していたかもしれない」と振り返っています。

過去の教訓を生かさなかった政府の対応

感染症対応で使われた過去のシステムは、入力項目が多いなど、自治体側の負担が重いという失敗を繰り返してきました。厚労省の元技官で、FFHSの開発を担当した北見工業大の奥村貴史教授(49)は、「自治体が使いやすいよう意見交換を重ねて設計していたのに、政府は過去の教訓を生かさず、ハーシスを導入した」と指摘しています。

まとめ

新型コロナウイルス対応で「デジタル敗戦」と言われる理由の一つとして、使われなかった「症例情報迅速集積システム(FFHS)」が存在しています。開発されたものの導入されなかったFFHSの代わりに、急遽開発された「HER-SYS(ハーシス)」が導入されました。政府は過去の教訓を生かさず、重い負担がかかるシステムを導入してしまったとの指摘があります。今後、政府は感染症対策において過去の教訓を踏まえたシステム選択が求められるでしょう。