最近のニュースによると、来年4月からトラック運転手の時間外労働への規制が強化され、物流停滞の恐れがある「2024年問題」が迫る中、受取人不在による再配達を削減するため官民を挙げて対策を急いでいる。
官民の取り組み
政府は消費者に対して「受け取りは1回で！」というキャンペーンを展開しており、宅配各社も配達日時を事前に通知するなど、利用者が1度で受け取りやすい体制整備を進めています。インターネット通販の急拡大により、宅配便の取り扱い個数は増え続けており、再配達業務が現場の重荷となっています。
再配達削減の目標
政府は25年度に再配達率を7.5％程度に下げる目標を掲げています。4月のPR月間には受取日時の指定やまとめ買い、配送状況を通知する宅配各社のアプリ利用を消費者に呼び掛けました。
宅配ロッカーやコンビニ受取の普及
自宅以外で受け取れる場所も増えており、ヤマト運輸は宅配ロッカー「PUDOステーション」を展開。他社も利用でき、全国の駅や商業施設に約6700台設置しました。日本郵便は、ローソンなどコンビニ約3万カ所で荷物を受け取れるようにしています。
課題と提案
しかし、置き配には盗難リスクがあるほか、戸建て住宅ではマンションに比べ宅配ボックスの設置が遅れているなどの課題もあります。野村総合研究所の小林一幸氏は、「非対面での受け取り方法を一段と多様化することが重要だ」と指摘。また、1度で受け取るとポイントを付与するなどの特典で、消費者の意識改革を促すのも有効だと提案しています。
宅配業界の努力
宅配業界も積極的に再配達削減の取り組みを進めています。ヤマト運輸は、顧客が受取日時や場所の変更に対応できる機能を利用することで、「1度目での配達完了率が向上する」と説明しています。
消費者意識の変革
消費者自身も、再配達の削減に向けて意識を変える必要があります。利用者が受け取りやすい環境が整っているにもかかわらず、受け取りの選択肢を十分に活用していない場合があります。消費者が宅配各社のアプリやサービスを活用し、受け取り日時を指定することで、再配達の削減に繋がります。
地域社会との連携
地域社会と宅配業界の連携も再配達削減に寄与します。地域住民同士で荷物の受け取りを代行したり、近隣の店舗や施設で荷物を一時預かるなどの取り組みが展開されることで、再配達の回数を減らすことができます。
まとめ
2024年問題への対策として、官民一体となった再配達削減の取り組みが急務となっています。政府、宅配業界、消費者、地域社会が連携し、受け取り方法を多様化することで、再配達の削減と物流停滞の緩和が期待できます。今後の取り組みの進展に注目が集まります。