私が今日取り上げる話題は、ゲーム業界の巨人、任天堂の2023年度の決算報告です。5月9日に発表されたこの決算報告によると、売上高が前年度比5.5%減の1兆6016億円、営業利益が14.9%減の5043億円、純利益が9.4%減の4327億円と、前年度に続いて減収減益となりました。
“Nintendo Switch”の影響
任天堂の主力製品である「Nintendo Switch」シリーズの販売台数は、合計1797万台で前年同期比22.1%減となりました。一方で、ソフトウェア部門では、「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」が2210万本、「スプラトゥーン3」が1067万本と、いくつかのヒット作を生み出しました。
減収減益の原因
なぜ任天堂が減収減益に陥ったのでしょうか。その主な原因は、半導体部品の供給不足によるハードウェアの生産への影響と、年末商戦での販売低迷です。しかし、ダウンロード販売などのデジタル売上高は、円安の影響などから前年比12.7%増の4052億円となりました。
デジタル売上の増加
デジタル売上の増加は、ゲーム業界全体のトレンドを反映しています。多くのユーザーが物理的なゲームカートリッジよりも、ダウンロード可能なデジタル版の方を好む傾向が強まっています。
2024年度の業績予想
次の2024年度については、売上高が1兆4500億円、営業利益が4500億円、純利益が3400億円と、さらに減収減益が予想されています。これは、ハードウェアとソフトウェアの販売数が15%以上減ると予想されていることによるものです。
まとめ
任天堂の減収減益は、一時的な事象に過ぎない可能性があります。供給短縮が解消されればハードウェアの生産も回復し、新たなゲームタイトルのリリースは引き続き高い売上を見込むことができます。一方で、デジタル売上の増加は、ゲーム業界全体のトレンドを示しており、任天堂もこの流れに適応する必要があります。2024年度の業績予想は苦しいものとなっていますが、任天堂がこれらの課題をどのように克服し、さらなる成長へとつなげていくかが今後の注目点となるでしょう。