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「スラムダンク」から学ぶ、日本のポップカルチャーと日本酒のグローバル戦略

2023年05月15日

ポップカルチャーの力: スラムダンクと日本酒「三井の寿」

あなたが知らなかったかもしれませんが、福岡県産の日本酒「三井の寿」は、今、中国で熱烈な人気を博しています。その要因は何でしょうか?実は、人気バスケットボール漫画「スラムダンク」の映画「THE FIRST SLAM DUNK」の影響なのです。この現象は日本のポップカルチャーと伝統産業がどのように結びつき、グローバルな影響力を持つかを示しています。

スラムダンクの力: 中国での反響

映画「THE FIRST SLAM DUNK」は、公開わずか10日で中国全土で上映された映画の中で興行収入トップを記録しました。その背後には、1980~90年代に中国で放送されたアニメ版「スラムダンク」に熱中した世代の支持があります。彼らは映画館で試合会場のように声援を送り、関連商品も熱烈に購入。その中には、三井寿というキャラクターの名前の由来となった日本酒「三井の寿」も含まれていました。

日本酒とポップカルチャーの結びつき

ここで注目したいのが、「三井の寿」がどのようにして「スラムダンク」の世界と結びついたのか、そしてその結びつきがどのようにして中国での人気を生んだのかという点です。「スラムダンク」の作者、井上雄彦氏が三井寿選手の名の由来を「三井の寿」と明かしたことがきっかけでした。それを受けて、酒造会社はユニホーム風のラベルの「三井の寿 純米吟醸+14大辛口」を発売。これが中国でも評判となり、品薄状態に。

日本酒という日本文化の新たな輸出戦略

しかし、ここで問題が生じました。原材料の米・山田錦が全国的に不作だったため生産が追いつかず、出荷調整を余儀なくされている状況です。それでも、中国や韓国から蔵元を訪れて買い求めるファンもいるというから驚きです。

複雑な日中関係とポップカルチャーの力

同時に、この現象は日中関係の中でも独特な位置を占めています。スパイ容疑での邦人拘束などで日中関係は緊張している中、中国の映画興行収入でスラムダンクに次ぐ第2位は日本のアニメ映画「すずめの戸締まり」だったのです。これは、映画も酒も、日本作品・製品の根強い人気ぶりを示しています。

ポップカルチャーと日本酒、そして未来

このように、日本のポップカルチャーと日本酒という伝統産業が結びつき、グローバルな影響力を持つようになったことは注目に値します。日本のエンターテイメント産業が持つ力を、他の産業がどのように活用できるか、また、それによってどのような新たなビジネスチャンスが生まれるか。これらの問いは、今後の日本経済にとって重要な課題となるでしょう。

まとめ

日本のポップカルチャーと伝統産業が結びつくことで生じる新たなビジネスチャンス、そしてそのグローバルな影響力について見てきました。「スラムダンク」の映画と「三井の寿」の例を通じて、これらの可能性を具体的に探ってきました。これはまさに、日本の文化産業が新たな地平線を切り開く一例と言えるでしょう。