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夏休みの過ごし方、新たなトレンドは「メリハリ」— インテージ調査で見えた2023年夏の消費者行動

2023年07月11日

先日、市場調査会社「インテージ」が2023年の夏休みに関する興味深い調査結果を公表しました。特に注目すべきは、海外旅行を予定している人が前年比で2.5倍に増えた一方で、それに不安を感じている人が半数以上を占めているという結果です。それでは、具体的な数字とその背後にある消費者心理を詳しく見ていきましょう。

「自宅で過ごす」から「メリハリのある過ごし方」へ

インテージの調査によると、今年の夏休みの過ごし方として最も多かったのは「自宅で過ごす」で、全体の38.2%がこれを選択しました。しかし、これは前年比で0.4ポイントの減少です。ついで多かったのが「近場に出かける(ショッピングや食事)」で24.2%(前年比1.4ポイント減)となり、やはり微減の傾向が見られます。

一方、消費者行動の変化が見えるのは、「国内旅行(宿泊あり)」が19.3%(前年比0.6ポイント増)、「国内旅行(日帰り)」が10.6%(前年比1ポイント増)となり、わずかながら増加している点です。

新たなトレンド:「海外旅行」への期待と不安

また、「海外旅行」を予定している人が2%(前年比1.2ポイント増)と大幅に増えています。しかしこの数字は新型コロナウイルス禍前の水準への回復が鈍いとも評されています。さらに興味深いのは、海外旅行に関して「不安がある」「やや不安がある」と感じている人が合計で50.9%に達し、「あまり不安はない」「不安はない」の合計20.6%を大きく上回っているという結果です。

消費者の夏休み予算:増加の一方、節約志向も

一方、今年の夏休みの予算は平均で6万146円と、前年の5万269円から約1万円増えています。これは新型コロナウイルスの感染リスクが減少し、心理的制限がなくなった結果であるとも解釈できます。ただし、物価高により予算を増やすしかなかったという意見も見受けられました。

移動手段:自家用車から公共交通機関へ

さらに興味深い結果として、国内旅行の移動手段の選択に変化が見られました。コロナ禍で人気だった自家用車の使用が減少し、新幹線や長距離バス、LCC(格安航空会社)の利用が増えているというのです。これは節約志向が高まっていることを示しています。

まとめ:変化の中で見えてきた新たなトレンド

以上の結果から、消費者の行動には新たなトレンドが現れつつあることが分かります。自宅で過ごす、近場で過ごすというパターンから、より広範な選択肢に移行しつつあり、国内旅行や海外旅行という選択肢が増えています。しかしながら、新たな選択肢への移行には不安もつきまとう一方で、予算増加や公共交通機関の利用増加といった節約志向も見受けられます。これらは、新型コロナウイルス禍が一段落し、日常が戻りつつある現状の消費者行動における「新常態」を表していると言えるでしょう。

以上の調査は、2023年6月26日から28日にかけて行われ、15歳から79歳までの男女2513人を対象にインターネットで行われました。これらの結果から、今年の夏休みには「節約しつつ、メリハリのきいた夏休み」が広がりそうだとインテージは分析しています。

新型コロナウイルスの影響で一時は行動が制限されていた私たちですが、生活環境や心理的な制約が緩和されつつある中で、新たな消費行動のパターンが見えてきました。これからもこのような消費者行動の変化を注視し続けることが、ビジネスやサービスの提供において重要となりそうです。