導入 – 次世代放送の新たな可能性
テレビの世界は、次世代の放送技術へと向けて、着々と進化を遂げています。4Kや8Kの超高解像度放送がその象徴的な存在でしょう。今回、総務省が、次世代の地上デジタル放送について議論を進めてきた結果を公表しました。
2Kと4Kの採用、8Kは条件付き採用
今回の答申によれば、次世代の地上デジタル放送は2K(1920×1080p)もしくは4K(3840×2160p)が主流となります。8Kについては、「条件付き採用」となっています。これは「現時点での8K画質担保のエビデンス不足。後の可能性を考慮した」との理由からです。
テクノロジーの導入と提供方法
次世代の放送では、最新のH.266(VVC)規格を用いた符号化と、ハイフレームレートに対応する60pや120p(4K以上)が採用されます。また、音声については、MPEG-H 3D AudioとAC-4という2つの符号化方式が採用され、最大22.2chのマルチチャンネル音響に対応します。オブジェクトベースオーディオのサービスも想定されています。
伝送路符号化方式については、新たなチャンネルを確保できた場合に、その容量を効率的に利用できる「地上放送高度化方式」と、既存の2K放送と同じチャンネルで4Kも放送する場合の階層分割多重(LDM:Layered division multiplexing)方式が用意されました。
実用化の時期は未定
ただし、これらの次世代放送が具体的に実用化される時期については「未定」とされています。総務省は「事業者(放送局)が手を挙げた時、地上波で4K放送が行える体制を整える」との姿勢を示しています。
まとめ – 次世代放送への一歩
今回の総務省の発表は、次世代の地上デジタル放送への道筋を示す重要な一歩と言えます。4Kや8Kといった超高解像度放送は、視聴者にとって新たな視覚体験を提供する可能性を秘めています。その実現に向けた技術的な議論と準備が進んでいることは、これからの放送業界の大きな動向と言えるでしょう。